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お墓、墓石の移転
お墓の改葬には、建てかえ、引越し、墓じまいの3つのパターンがあります。
このうち、これまでの墓石を処分せずに移転させるのが引越しです。
なお、古い墓石で建墓する場合でも、御魂抜きの法要と開眼法要は行う必要があります。
お墓の引越しを考える理由
お墓の引越しを考える理由は、主に2つあります。
①思い入れがある
先祖代々のものだから。あるいは、親が建立したからそのまま使いたい。
②新しくお墓を建てるより安価である
墓石を新たに購入するよりも運搬費のほうがお金がかからない。
墓石の移転は総費用が高くなることが多い
しかし、実は墓石の移転は新しく墓石を購入するよりも総費用が高くなることがあります。
古い墓石を使う場合は、
- 墓石の撤去作業費、修復費
- 墓石の運搬費
- 古い墓石を新しい墓地に設置する工事費
がかかるためです。
撤去作業の難易度や距離、墓石の大きさなどにもよりますが、すべての費用を合計すると数十万円かかることもあります。
墓石の移動距離が長ければ、その分、運搬費もかかります。
移動中にヒビが入ってしまうなどのトラブルも予想されます。
そういった理由もあり、新しい墓地には新しい墓石での建墓を勧められることが多いようです。
そのため、②の新しくお金を建てるよりも安価であるという考えで、実施する場合はきちんと費用を見積もってから判断しましょう。
安易に安そうだからと、古い墓石の再利用を考えることはおすすめできません。
古い墓石を新しい墓地で再利用したい場合
コストはかかっても、やはりいままでの墓石を新しい墓地に移したいという場合は、新しい墓地の使用規定を確認する必要があります。
古い墓石を新しい墓地に移して建墓したくても、墓地によって規定があり、古い墓石による建墓を認めていないところもあります。
古い墓石を利用したいときは、まず、その確認をしましょう。
特に、次の点を確認しましょう。
- 移転先の墓地に古い墓石を移転できるか?
- 宗派の違いは問題はないか?
- 墓石以外の付属品は移転できるか?
1.移転先の墓地に古い墓石を移転できるか?
墓石の移転を考える際の必須条件です。
墓地の中には、古い墓石の持ち込みができないところも多くあります。
また、民営墓地では、美観上の理由から古い墓石の移転を認めていないところも多くあります。
持ち込める場合でも、棹石のみで、台石は新しく建立というところもあります。
あとで、問題が起きないように、これまでの墓石の写真などを持参して確認しましょう。
また、あらかじめ墓石のサイズなどを測っておき、それに合う広さの墓地を用意する必要もあります。
さらに、新しい墓地で依頼する石材店に、実際に墓石を見てもらい、墓石のすべてを生かせるか、棹石だけ利用するかなどを判断してもらいましょう。
2.宗派の違いは問題はないか?
A宗の戒名が刻まれた墓石をB宗の墓地に持ち込むことは難しいでしょう。
3.墓石以外の付属品は移転できるか?
今までの墓地に灯籠やつくばい(手水鉢)がある場合、新しい墓地にもそれを移転か否かで、必要なスペースが変わってきます。
なお、外柵については、新しい墓地の区画に合わせてなくてはならないため、移転することは事実上不可能です。