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遺族の喪服のマナー
以前は、通夜は身内だけの集まりでした。
しかし、現在では、一般の会葬者も多く通夜に参列するようになっています。
そのため、喪主、遺族、近い親族は通夜の会場に入るときから喪服を着ます。
服装は洋服でも和服でも構いませんが、遺族が着用する喪服は、参列者よりも正式な服装になるように心がけます。
女性の場合は、小物やメイクにも注意しましょう。
喪服の準備
遺族や近親者、世話役代表は通夜が始まる前に喪服の準備をします。
ただ、亡くなった直後のあわただしいなか、遺族が正式な喪服を着る必要はありません。
結婚指輪以外の装飾品ははずして、黒やグレー、紺などなるべく地味な色の服に着替えればOKです。
葬儀の準備があるからといって、ジーンズやTシャツなどカジュアルすぎる服装は避けましょう。
また、男性なら髪やひげを整えます。
女性は薄く化粧をして、早くから訪れる弔問客に失礼のないようにします。
喪服を持っていないときは、貸し衣装を利用するとよいでしょう。
貸し衣装店や美容室にあります。
また、インターネットなどでレンタルすることができます。
例えば、礼服レンタル.com です。
16時までの注文は即日発送可能で、3泊4日のレンタルで4,800円~利用可能です。
喪服は頻繁に利用するものではないので、購入せずにその都度レンタルを利用するのも1つの手です。
また、頼んだ葬儀社から借りるという手もあります。
遺族の中で借りる人の人数を確認して、まとめて頼みましょう。
遺族が着る喪服
現在では、葬儀に参列する人は全員が喪服を着ることが一般的です。
しかし、もともとは喪服は遺族だけが着るものでした。
そのため、通夜や告別式に参列する一般会葬者なら、必ずしも喪服を着る必要はなく、地味な服装で参列しても構いません。
遺族や近親者の場合は、通夜、葬儀。告別式を通じて正式礼装の喪服で臨まなければなりません。
男性
男性は、ブラックスーツを着ます。
本来、葬儀・告別式は昼間の正式礼装である黒のモーニングコートに黒とグレーの縦縞スボンを着るのが正式です。
ネクタイは黒無地を着用します。
ディンプルはつけません。
ベストは白いえりをはずした上着と共布のシングルで、白無地のワイシャツに黒のネクタイと靴下を着用します。
靴も黒でプレーンなデザインのものにします。
しかし、夕方から行われる通夜では、昼の礼装であるモーニングコートの着用はしません。
ただし、実際には、通夜、葬儀・告別式ともに、遺族や近親者は略礼服と呼ばれるブラックスーツの着用が一般的です。
シャツは白無地で、他の小物は黒で統一します。
靴は黒一色で光沢のないもの、靴下は黒の無地のものにします。
白い靴下はNGです。
ベルトも黒にし、派手な金具の付いているものは避けます。
カフスボタンは、黒い石か目立たないものにします。
男性の和装
和装の場合は、男性は黒羽二重染め抜きに五つ紋のついた着物、羽織と仙台平の袴を着用します。
慶事と同じ装いです。
帯は角帯を締めます。
じゅばんのえりは羽二重で、白、灰色などを用います。
じゅばんのえりは弔事には重ねません。
たびは白が正式ですが、地方によっては黒が用いられています。
ぞうりの鼻緒は黒にします。
正礼装と略礼装の違い
正礼装は、男性はモーニング、女性は襟がつまった長袖のことです。
正礼装は一般的に個人に近い立場の人が着ます。
ただし、最近では、男性はブラックスーツを着ることが多いです。
略礼装はいわゆる一般的な喪服で、参列者はこちらを着ます。
女性
洋装では、黒無地のワンピースやアンサンブル、ツーピースを着ます。
えり元が詰まったものにして、袖は長め、スカート丈は正座したときにひざが隠れる程度のロング丈が正式とされます。
裾丈の短いもの、光沢があるもの、透ける素材のものは避けます。
アンサンブルは夏冬兼用で便利ですが、夏でも儀式中は長そでの上着を着るのが原則です。
パンツスーツは避けましょう。
機能的ですが、年配の方には、略式な印象があります。
お葬式では黒のスカートのほうが無難でしょう。
持っていなければ、レンタルもあります。
ストッキングは黒にします。
靴は、低めの黒いパンプスで、光沢のないものにします。
バッグも黒の光沢のないものを使います。
アクセサリーはつけないのが基本ですが、ネックレスは白か黒の真珠、黒曜石、黒オニキスの一連のものを選びましょう。
女性の和装
女性は、洋装でもかまいませんが、和装のほうが正式だと考える人も多いです。
故人の配偶者、娘など近い関係の場合には、可能なら和装にするのが無難です。
着物は、黒無地染めの抜き五つ絞(羽二重か一越ちりめん、夏は綰)、帯は黒無地の袋帯で、おたいこを小さめにします。
紋は、実家の女紋か婚家の門を入れます。
葬儀社からレンタルする場合は、家紋を伝えましょう。
帯あげ、帯締めなどの小物は、白か黒に統一します。
半えり、たびの白以外は、帯や帯揚げ、帯締めなどの小物はすべて黒で統一して、バッグやぞうりは黒の布製にします。
子ども
中学生や高校生は男女ともに学校の制服があれば、正式礼装として制服を着用します。
ない場合には、紺、黒などの地味な色の服装にします。
小学生や幼児は白いシャツやブラウスを用意して地味な服装にします。
幼稚園の制服があれば制服を着せます。
靴は黒、ソックスは白でも黒でも構いません。
乳児であれば、できるだけ飾りの少ない地味な服を着せます。
男の子
通園や通学用の制服があればそれが正式礼装となります。
上着のボタンが金や銀の時には黒いボタンにつけかえてもよいでしょう。
女の子
白いブラウスに地味な色合いのジャンパースカート、アンサンブルなどを着用します。
髪もまとめるよう気をつけましょう。
子供の喪服はどうする?子供が通夜、葬儀・告別式に参列するときの服装マナー
小物・アクセサリーのマナー
遺族、近親者として弔事に臨むときも、一般会葬者として通夜、葬儀などに参列するときも、喪服を着用するときには、小物やアクセサリーが意外と目立ちます。
弔事では、結婚指輪以外、アクセサリーはつけないのが正式です。
つける場合でも、真珠やブラックオパールなどの一連のネックレスや一粒タイプのイヤリングなど、目立たないものを1つします。
バッグは小型で、光沢のないシンプルなデザインの布製が正式です。
革製でも光沢がなく、派手な飾りもなく、シンプルなつくりであれば、手さげタイプでもセカンドバッグタイプでもよいでしょう。
ハンカチにも気を配り、色柄物のハンカチは目立つので、白無地やフォーマル用の黒を用意しましょう。
香典を包むふくさも地味な色のものを選びます。
その他
寺院からいただいた輪袈裟(肩衣)があるときは、通夜、葬儀に着用します。
会葬者・参列者の喪服のマナー
通夜は、死者を葬る前に近親者が遺体のそばで終始守る夜伽のことで、正式な儀式ではありません。
以前は、喪服を着ることも少なかったのです。
しかし、近年では、一般の会葬者が通夜に参列する場合も増えて、遺族も会葬者も喪服を着用するのが一般的になりました。
一般会葬者の場合、通夜は略礼服、葬儀・告別式は準礼服が基準です。
バッグやアクセサリー、ハンカチなど
金属や飾りのある靴、バッグ、アクセサリーは控えて、光る素材や透ける素材は避けて、地味な装いにします。
バッグ
通夜・葬儀には、金具などの飾りのない布製の黒いものにしましょう。
アクセサリーや化粧、香水
葬式のマナー:アクセサリー(ネックレス、イヤリング)、化粧、香水はどうすべき?
時計
時計は金やカラフルな色のベルトは避けて、黒の皮かシルバーのものにしましょう。
ハンカチ
通夜・葬式に持っていくハンカチは、基本的に白か黒かのフォーマルなものがよいとされています。
地味な色味のものであれば式中に使えますが、なるべく無地のものを選びましょう。
また、素材がタオル地などのカジュアルなハンカチは避けるようにしましょう
葬儀は正式な場なので、綿やシルクのハンカチが好ましいとされます。
その他
手袋、傘などもなるべく地味な色で柄のないものを選びましょう。
平服で、と記載がある場合
家族葬などでお別れの会などが行われる場合、案内に平服でという記載がある場合があります。
そのような場合はどのような服装で行けばいいのでしょうか。
この平服とは、決して普段着という意味ではありません。
礼服でなくてもよいという意味です。
カジュアルすぎる服装は失礼にあたります。
平服で、とある場合も、肌を露出したり、カジュアルな印象になるものは避けましょう。
黒やグレーなどの地味なスーツやジャケット、ブラウス、紺やグレーの無地のスカート、あるいはワンピースなど清潔感のある服を選びましょう。
また、履き物に関しては、つま先、かかとが露出するミュールやサンダルは好ましくありません。
神式、キリスト教の場合
神式、キリスト教のお葬式も、服装は仏式にならいます。
手持ちの喪服か、地味な色のワンピースやスーツでも構いません。
カトリックでは、女性信者は、黒いベールつきの帽子をかぶるのが正装ですが、信者でない場合は必要ありません。
万が一に備えて…
お葬式のお知らせは、いつどこで聞くかわかりません。
突然の事態に備えて、会社にロッカーがあるなら1着、地味なジャケットと黒いネクタイを入れておくと対応しやすくなります。