3分でわかる!手元供養とは?残りの遺骨で手元供養も

以前は、お骨は墓に埋葬されることが一般的でした。
しかし、最近は散骨や樹木葬など、埋葬のスタイルもさまざまです。
そのような流れのなか、新しい供養のかたちとして注目を集めているのが手元供養です。

お墓がない人や、あってもさまざまな事情で、そのお墓に入れない、あるいは入りたくないという人のために手元供養があります。

手元供養とは?

故人と離れたくないと考えることは、残された遺族にとって自然なことです。
故人といつまでも一緒に暮らしたいから骨壺は自宅に、などの理由で遺骨を自宅に安置して供養するというかたちが手元供養です。

遺骨(遺灰)の一部を自宅に置いて、アクセサリーに納骨する、オブジェに加工するなどの方法で、遺骨を身近に置いて、故人を偲びますす。

手元供養では、小さな容器に遺骨の一部や遺灰を入れて、仏壇などに保管するのが一般的です。
中には、宝石に加工してくれるサービスもあるほか、自宅用のミニ骨壷やペンダント、指輪など、さまざまな種類があります。

手元にあることでいつでも供養することができます。
葬送の中でも、もっとも故人を近く感じることができるのが、手元供養でしょう。
故人の遺志というよりも、残された人の心の支えとして行うものです。

手元供養が増えています

これまでは、世間体などもあり、お墓に遺骨を納めることが一般的でした。
ただ、その場合だと、故人を身近に感じることができません。

供養の考え方も変化して、今では自宅に遺骨を残すケースも珍しくなくなりました。
特に、核家族化が進み、大切な人を失った後に、一人暮らしを余儀なくされる人も多い現在の日本では、故人を日々感じたいと願うのは、なおさらです。
そういった人々の注目を集めている供養が、手元供養です。

手元供養は、2000年頃から、故人を供養するための新しいスタイルとして、メディアを通じて、徐々に話題になってきました。
当時は、「遺骨をペンダントにするなんて」という批判もありましたが、手元供養は、お墓や仏壇などにみられるような宗教色が希薄なこともあり、次第に受け入れる人も増えてきています。
大切な人を身近に感じることで、悲しみが癒され、生きる力を取り戻すことにつながると言われています。

しかし、保管主が亡くなれば、そのまま忘れ去られてしまう恐れがあります。
また、いざお墓に入れようとした際に、埋葬許可証がないと納めることができません。

なくさないように、大切に保管しましょう。

手元供養を検討する例

通常、人は死ねば、通夜や告別式を経て、火葬場に送られ、骨上げをしてもらって、骨つぼに収まります。
そして、遺族の許に安置され、四十九日の法要を執り行って、お墓に収められます。
四十九日は、それまでこの世をさまよっていた故人が成仏し、仏になった日とされます。
すなわち、この世から離れて成仏してあの世に行ったことになります。

しかし、なかには入るべきお墓がない人、あったとしても入りたくない、あるいは入れてもらえない、いわば無墓葬という事情を抱えている人もいます。

例えば、ある女性は、結婚をした相手が親との確執から親の墓に入ることを拒んでいるケースがあるとします。
そうかといって、相手の姓を名乗っているので、夫の死後、そのお骨を自分の親の墓に入れるわけにもいきません。
自分が死んだ時も遺族は困ってしまうでしょう。
そういう場合にはどうすればいいのでしょうか。

自然葬という方法もありますが、自然葬は自然に還ることになるので、いわば、故人の形跡は残りません。

それをよしとする人にとっては、最良の方法ですが、それではあまりにも寂しいという人もいるでしょう。

そこで考えられる方法が手元供養です。

どんなものでも手元供養品にできるの?

基本的には、業者が請け負えるものならば手元供養品にできます。
制限はほとんどありませんが、不謹慎なものや故人の遺志を無視して作る手元供養品などは避けるのが故人のためでしょう。

手元供養では、遺骨をオブジェに納骨したり、遺骨そのものをオブジェに整形することもあります。
あるいは、身に着けることができるペンダントなどのアクセサリーに加工することもあります。
遺骨そのものをダイヤモンドや樹脂に加工する方法もありますが、遺骨の一部や遺灰を直接収められるタイプに人気があります。
手元供養は、骨壺の代わりにアクセサリーなどを手元供養品として遺骨を納めると考えるとわかりやすいでしょう。
遺骨を身近に置いたり、身に着けることで、常に故人とともにあることができます。

手元供養品のいろいろ

ジュエリー

デザイン性が高く、おしゃれなジュエリーとして身につけられるタイプです。
内部に遺骨や遺灰を入れられます。
ペンダントやブレスレットなど、アイテムもさまざまで、デザインも豊富です。

ミニ骨壷

写真と一緒に置いたり、仏壇に安置することもできる小さな骨壷です。
デザインや素材、色柄などインテリアに合わせて選べます。

オブジェや写真立て

遺骨や遺灰を納められる小さなオブジェや、写真立てと一体となっているものもあります。
部屋の片隅で、いつでも家族を見守っていてくれます。

手元供養品の種類と価格

ペンダント(シルバー) 約20,000円~
ペンダント(ゴールド) 約110,000円~
ペンダント(プラチナ) 約180,000円~
ペンダント(パール) 約120,000円~
ペンダント(カラーストーン入り) 約210,000円~
メモリアルフォトスタンド(合成皮革) 約16,000円~
陶器製ミニ骨壷 約12,000円~
蒔絵ミニ骨壷 約40,000円~

手元供養と散骨、樹木葬の違い

散骨の場合によくあるのが、故人の希望で散骨したものの、遺族が故人を思うときに、どこに向かって手を合わせればよいかわからないというときがありまことです。
そんなときに手元供養は遺族の悩みを解消するための1つの方法として利用されています。

散骨や樹木葬といった新しい葬送が、時代の要請とともに認知されていく中で、それでも故人を身近に感じたいという遺族の要望に応えるものとして、手元供養は必要とされています。
大切な人を失った時の悲しみは、経験した人にしかわかりません。
故人に近くにいてほしいけれど、世間体や身内の都合などから、遠方のお墓に故人を行かせてしまったという人も少なくありません。
そんなときには、故人を身近に感じる手元供養は、遺族の心の癒しになることでしょう。

手元供養は、ほかの葬送とあわせて行うことができます。
例えば、散骨なら、すべての遺骨を撒くのではなく、一部は残して手元供養品にすることができます。
樹木葬などでも一部を樹木葬で納めて、一部は手元供養品とすることもできます。

手元供養は違法ではありません

遺骨を自宅の庭など墓地以外の場所に埋葬することは違法です。
しかし、火葬後の遺骨をお墓や納骨堂に入れないで、自宅に置くことは違法ではありません。

もともと、遺骨はお墓に納めなくてはならないという定めはなく、正しい手続きを経て火葬を行えば、遺骨は個人や遺族の意志で自由にすることができます。
遺骨を自宅で保管することは、散骨の場合と同様に節度をもっておこう限りは問題ないとされています。
仏壇などに安置することが適当ですが、押し入れに入れてあったとしても法律にふれることはありません。
四十九日や一周忌を過ぎても、あえて納骨せずに、家の仏壇に骨壺を置き続ける人は少なくありません。

ただし、手元供養では亡き人が成仏できず迷ってしまうという宗派も多く、仏教上は勧められる方法ではありません。
また、他人の骨を永久に預かることは、無許可で納骨堂を経営することになり、許されません。

手元供養をするなら仏壇があったほうがいいの?

中には、手元供養品をお地蔵さまとして仏壇に置いている人もいるそうです。
ただ、手元供養品の種類はさまざまで、身に着けられる携帯タイプや部屋に飾る壁掛けタイプのようなものもあります。
そのため、必ずしも仏壇を作る必要はありません。

手元供養は置く場所も含めて、自由にタイプを選べます。
手元供養品を決めるときには、置き場所なども考慮するとよいでしょう。

仏壇に遺骨は置き続けられないの?

上記の通り、仏壇に遺骨を置き続けることは法的には問題はありません。
特に、古い仏壇では水子の遺骨を小さな壷に入れて仏壇に置いたままにしているケースはよくあります。

一方で、仏教は執着を嫌います。
仏教の教義上、骨を持ち続けることは奨励されるものではありません。

また、遺骨を自宅に置いたままにしていると、遺骨の持ち主が亡くなったときに、遺骨が供養されないという問題もあります。

手元供養に必要な書類

手元供養で必要となる書類は、業者によって異なります。
大抵の場合は、簡単な申し込みの用紙だけで、正式な書類は必要としません。
場合によっては、分骨証明書などが必要になります。
申し込みを行う際には、必ず業者に確認しましょう。

遺骨を一部取りわけて手元供養することが多い

自宅供養には、お墓には納めずに、遺骨のすべてを置くケースもありますが、お墓に埋葬する前や散骨前に一部を取りわけて自宅に置くケースが多いようです。
手元供養を希望する場合は、あらかじめ分骨をしておくとよいでしょう。

お墓が遠方でなかなか墓参りに行けないので身近に遺骨を置きたいという方や仏壇の代わりに置くという人もいます。
一部を自宅に置く場合の遺骨・遺灰を入れる小さな骨壺や小さなオブジェなども市販されています。
大切な人を身近に感じていたいという人のために、少量の遺灰を入れて身に着けることのできるアクセサリーや遺骨そのものを加工して作るダイヤモンドジュエリーもあります。
遺骨を加工してペンダントやアクセサリー(人工ダイヤモンド)にする業者も出現しています。

同じ故人の遺骨で複数の手元供養品を作ることも

同じ故人の遺骨で複数の手元供養品を作ることも可能です。
これは分骨にあたります。

地域によっては、分骨すると正しい供養が行えないであったり、故人が成仏できないなどと言われることがありますが、根拠はありません。
寺によっては、分骨≠不吉と呼びかけているところもあります。

位牌の代わりとしての手元供養品

手元供養品とは、いつまでも故人を身近に感じるために、オブジェとして家に置いたり、ペンダントなどで身に着けたりすること故人を偲ぶためのものです。
手元供養品は、遺族が故人を思って購入するケースばかりではありません。
自分の死後は、お墓も位牌もいらないので、手元供養品を置いて時折思い出して欲しいと考えて、自分が亡くなった後に、親しい人に持っていてもらいたいために購入を考える人も増えています。

また、手元供養品が求められる理由には、お墓や位牌のような宗教的な色合いの強いものに縛られるよりも、故人らしさのある手元供養品のほうが、故人を近くに感じ、遺族も自分たちらしく故人を偲ぶことができるという考え方もあります。
故人や遺族、どちらが望む場合であっても、親しい人とずっと一緒にいたいと考えるならば、お墓というかしこまった場所ではなく、もっと日常的な場所で供養されたいと希望することは、とても自然なことでしょう。

遺骨を手元に置くことができ、日々故人を偲ぶことができる手元供養は、今後さらに求められる葬送となるでしょう。

手元供養の供養の仕方

手元供養においては、正しい供養の仕方というものはありません。
故人のことを思い、手を合わせて、語りかければ、十分な供養になります。
手元供養は、手元供養品が身近にあることが利点の1つですので、毎日気にかける、話しかけることが一番の供養になることでしょう。
また、手元供養品を前に僧侶にお経を頼むケースもあります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする