あわただしいなかでも、しっかり葬儀の準備をしておきたいものです。
目次
理想的な葬儀の進行と日程
一般的な葬儀の日程は次の4パターンです。
パターン①
1日目午前:死亡→枕経
1日目午後:通夜
2日目午前:葬儀→火葬→精進落とし
パターン②
1日目午前:死亡→枕経
1日目午後:仮通夜
2日目午前:-
2日目午後:通夜
3日目午前:葬儀
3日目午後:火葬→精進落とし
パターン③
1日目午後:(午後3時以前)死亡→枕経→通夜
2日目午前:葬儀→火葬→精進落とし
パターン④
1日目午後:(午後3時以前)死亡→枕経→仮通夜
2日目午前:-
2日目午後:通夜
3日目午前:葬儀
3日目午後:火葬→精進落とし
上記の日程からもわかるように、通常葬儀は亡くなってから2~3日で行われます。
つまり、亡くなったことを悲しむ時間もなく、葬儀のかたちを決めて、それに沿った葬儀社を決めなければなりません。
短い時間のなかで、良い葬儀社をみつけて後悔のない納得のいく葬儀をすることが大変ということがわかるでしょう。
実際、葬儀を経験した人の中には、葬儀内容や葬儀社の対応に不満を抱く人も少なくなく、葬儀社とのトラブルもあります。
葬儀の事前準備をしよう
例えば、マンションを購入するときなどは、初めて入った不動産屋で何も考えずにいきなり契約する人は少ないでしょう。
予算、広さ、立地条件、日当たり、水まわりなどを見て、自分の希望に合った物件かどうかを検討するでしょう。
また、ほかのマンションとも比較した上で、契約するはずです。
葬儀も同じです。
事前に自分の要望を考えた上で、それにあった葬儀社を選びましょう。
そうすれば、葬儀で失敗することもないでしょう。
葬儀の事前準備のメリット
時間的にも精神的にも余裕がない状況で決めるのと違い、事前準備はゆっくり時間を取って検討できます。
そのため、葬儀社の言うことを理解しつつ、自分のペースで進めることができます。
また、事前に概算の費用を把握できるので、不必要な費用もかからずにすみます。
- 自分の要望が把握できる
- 希望に合った葬儀ができる
- いざというときに落ち着いて行動できる
- 葬儀社のいうことを理解しながら自分のペースで進められる
- 細かい打ち合わせに忙殺されずにゆっくりお別れができる
- 葬儀社選びに時間をかけられる
- 葬儀社の良し悪しのチェックができる
- 担当者の人選が適切にできる
- 時間をかけて交渉ができる
- 費用のかかり過ぎを防げる
- 事前に概算の費用を把握できる
葬儀の事前準備に必要なもの
まずは、どんな葬儀をしたいかを考えて要望をまとめます。
その上で、葬儀社に問い合わせをします。
特に次のことを決めます。
- 葬儀のかたち(宗教)
- 葬儀の規模(大きさ・人数)
- 葬儀をあげる場所、安置場所
- 予算
- こだわりたいこと、希望
葬儀社から見積もりを取る
要望がまとまったら、めぼしい葬儀社2~3社に連絡して見積もりを取ります。
もちろん見積もりを取っても、葬儀を依頼したことにはなりません。
あくまで、検討材料をもらうという気持ちで見積もりを取ります。
事前の相談ということで、見積もりを嫌がられたり、葬儀の規模が小さいことで嫌がられるようなら、良心的な葬儀社とは言えません。
そのような葬儀社への依頼は避けましょう。
生前予約も検討しよう
生前予約とは、自分が元気なうちに自分自身の葬儀を依頼しておくことです。
欧米で主流の葬儀の生前予約は、日本でも近年関心が高まり、実際増えています。
核家族化や少子化が進み、高齢者の単身者世帯が増え、「子どもに頼れない」「死後も自分の意思を反映させたい」などと考える人が増えていることが背景にあります。
葬儀の生前予約
生前にあらかじめ打ち合わせをして、自分の意思で葬儀スタイルや内容、費用、支払い方法などを決め、葬儀社などと契約を結ぶシステムが注目されています。
このような方法を生前予約または生前契約と言います。
生前予約と生前契約の間に明確な規定の差はなく、業者による呼称の違いと考えてよいでしょう。
依頼したい葬儀社に連絡をして、自分の葬儀プランを伝えて、契約をします。
もしものときには、その葬儀社が契約書にしたがってプランどおりの葬儀を行ってくれます。
費用の支払い方法には、一括払い・積み立て・生命保険利用などがあり、途中の解約やプラン見直しが無料でできるケースもあります。
葬儀の生前予約は、米国で始まり、欧米で広く行われています。
身内にその旨を知らせておけば、もしものときに残された家族の負担を減らすことができます。
生前予約や生前契約を結ぶ際は、内容を吟味することが重要です。
契約内容は、自分の葬儀やお墓のこと以外にも、死後の手続き全般や遺言の管理執行などを含むこともあります。
葬儀の生前予約の契約時の注意点
生前予約はさまざまな機関や葬儀社が扱っており、互助会などで葬儀費用を積み立てるシステムも生前予約に含まれます。
ただし、生前予約は、契約内容を保証する法的、社会的システムがまだ不完全なため、契約には細心の注意が必要です。
なかには、すべて公正証書による契約にする業者もありますし、一部のみ公正証書のところもあります。
生前予約のサービスは主に葬儀社で行っていますが、口約束はトラブルのもとです。
必ず書面に残して、契約していることを家族に伝えておきましょう。
信頼のおける葬儀社を選ぶことはいうまでもありません。
特に、注意したいのは、次の点です。
- 正式な文書による契約かどうか
- 更新についての規定があるかどうか
- 家族の同意が必要かどうか
- 費用の支払いを明確にしておく
また、それ以外にも次のような点もきちんと確認しましょう。
- 葬儀プランを自由に作れるか
- 解約は可能か
可能な場合、手数料や違約金は発生しないか - プランの見直しは可能か
可能な場合、手数料は発生しないか - 入会金、年会費の有無
- 契約した会社は信頼できるか
経営が破綻した場合の補償はあるか - 費用の支払いに利用する金融商品の元本は保証されているか
元本預先の金融機関が破綻した場合の保全システムはあるか
契約は慎重に、各社を比較して納得できるシステムを選ぶようにしましょう。
葬儀の生前予約の流れ
①ヒアリング
生前予約で契約する内容について業者と本人で面談します。
②プラン作成
ヒアリングを基に、葬儀などのプランを作成します。
③見積もり
プランのないように問題がなければ、料金の見積もりが出されます。
④契約
⑤プランの見直し・更新
規定の年数ごとにプランの見直しができます。
⑥契約遂行
契約者の死亡により契約が遂行されます。
葬儀費用の準備
葬儀にかかる費用は、全国平均で約200万円と、それなりの金額が必要です。
契約内容と合わせて、費用の準備も考えましょう。
【終活】口座凍結など万一のときのお金の不安を解決するために準備すること
生前戒名をつけたい場合
戒名は、もともと出家した僧に、戒律を守るしるしとして、受戒の師僧から与えられるものでした。
そのため、戒名は葬儀のときだけいただくものではなく、生前に戒名をつけてもらっても構いません。
各宗派では、帰教式(入壇・入信式)、受戒会などの儀式により生前戒名を授けています。
戒名は支障からいただく名前ですので、自分でつけることは本来のものではありません。
しかし、寺院によっては、自分で考えた戒名を使用することを許してくれるところや、自分で考えた戒名を手直しして使用するところもあります。
ただし、その場合も戒名料は必要となります。
仏式で葬儀を行うときには、生前戒名について菩提寺などに確認しておきましょう。
本寿院の戒名の授与サービス
戒名は高い?と考える方はたくさんおり、その悩みを解決するために本寿院では3万円で戒名をつけるサービスをしています。
亡くなってからだけでなく若い方が生前に授かるケースもたくさんあります。
北海道から九州まで、全国各地で対応しています。
「戒名は高い?安い?」という本を出版し、NHK学園や読売文化センターなどで戒名講座を開催しています。
戒名や供養の事がわからない方やお悩みの方は、ご相談してはどうでしょうか。