3分でわかる!お布施の表書き・封筒の書き方について解説

お布施とはお寺や僧侶の読経や戒名のお礼として渡す現金や物品のことです。
葬儀や法要のために出向いてくれた僧侶に直接渡します。

お布施の表書きの書き方、金額

お寺の活動にあててもらう意味をこめて、白い封筒に御布施と書きます
その下に御布施よりもやや小さめに○○家喪主の名前を入れます。
毛筆か筆ペンで、普通の墨で書きます。
お寺に不幸があったわけではありませんので、薄墨では書きません。

のしはなしで、水引はつけません。

お布施の金額は、宗教の違いや戒名の種類、寺の格式、僧侶の考え方などによって異なり、明確な定めはなく、原則として自分でできる範囲ですればよいとされています。

しかし、明確に決まっていないからこそ、いくら納めたらよいかわからず、困ってしまうことでしょう。
そのため、それぞれのお布施の金額の相場をご紹介します。

ただし、これらは宗派や地域によって大きく異なりますので、僧侶やそれに近い人に相談すると良いでしょう。

通夜・告別式

一般的に通夜・告別式で30万円くらいからで、戒名料は別です。

戒名(仏名)

宗派によって金額にばらつきはあるものの、普通仏名で15~30万円が相場です。
院号居士仏名になると、仏名のお布施だけで50~150万円になります。
院号より格上の院殿になると数千万円もの高額なお布施を出した例もあるようです。

開眼供養

お布施の額に決まりはありませんが3万円~5万円が相場です。

納骨式

読経への謝礼としてのお布施は5万円~10万円が相場と言われています。
四十九日や一周忌に開眼供養、納骨法要をあわせて行う場合はお布施を上乗せします。
控室なども使わせてもらう場合は、その使用料も考慮します。

法要(一周忌・三周忌など)

回忌や規模にかかわらず、読経をしてもらう場合にはお布施を渡します。
読経への御礼としてのお布施の目安は3万円~5万円です。
控え室などを借りる場合には、御席料5千円程度をお布施とは別に法要前に渡します。

閉眼法要

閉眼法要そのものに対するお布施の額は3万円~5万円が相場です。
加えて、寺院墓地から墓を移す場合に、改葬を機にその寺院の檀家でなくなることになります。
そのような場合に、いままで先祖の供養をしていただいた寺院に対する感謝のために、お布施もあわせて行うことが一般的です。

お布施以外の表書き

御車代・御車料

通夜や葬儀の際に僧侶に足を運んでいただいたお礼として御車代を渡します。
表書きは、お車代御車代で、毛筆か筆ペンで普通の墨で書きます。
喪主の氏名は、御車代よりもやや小さめに書きます。

無地の白い封筒を使い、水引、のしはありません。

御車代の金額は5,000~10,000円が一般的です。
ただし、遠くから来て貰う場合は、タクシーの往復分の料金を目安に御車代を渡します。

御車代は、お布施の封筒とは分けて、葬儀後か、お通夜の前後に渡します。

御膳料

僧侶が、通夜振るまいなど会食の席を辞退した場合には、御膳料をお渡しします。
御膳料は、お車代と同じく5,000円~10,000円が相場です。

お布施の金額に迷ったら僧侶に相談する

「お布施に迷ったら僧侶に相談する」のが開眼法要や納骨法要のみならず、僧侶にお経をあげてもらうときの基本です。

しかし、実際に相談しても具体的な金額を提示してもらえず、「お気持ちで」と返されてしまうことが多々あります。

そんなときには「みなさんと同じようにさせていただきたいのですが、みなさんはどうなさっていますか?」と聞くとよいでしょう。
また、僧侶に「お布施の意味からしても、そのようにお答えになられるのは当然ですが、私どもでは見当がつきませんので…」と重ねて相談すれば、そのお寺での相場を教えてくれるかも知れません。

それでも答えてくれない場合には、お寺ではなくて、石材店や葬儀社に相場を尋ねるという方法もあります。

高額のお布施が心配な方は僧侶派遣サービスを検討する

お寺に法事、法要をお願いすると、お布施の他に、お車代お膳料心づけなどが必要になり、一般的には、合計50万円程度が相場と言われています。
そのような高額になることが心配という方は、定額の僧侶派遣サービスを検討するとよいでしょう。

また、「お寺と付き合いがなく、依頼の仕方がわからない」「特定のお寺の檀家になりたくない」といった悩みを持つ方も僧侶派遣サービスを検討しましょう。

代表的な定額の僧侶派遣サービスはお坊さん便です。

お坊さん便では、お布施料金は定額35,000円で、心づけ、お車代、お膳料などがすべて含まれており、追加費用はありません。
インターネットで簡単に手配予約ができるので、菩提寺がない方や、寺院の檀家となることに抵抗のある方は検討してみるとよいでしょう。

お布施の意味

お布施は、故人の成仏を祈り、僧侶を通じて本尊にお供えするものです。
前述の通り、決まった金額はありません。
つき合いの深さや戒名の位、寺院によって金額はまちまちです。

お寺は、こういった檀家が納めるお布施や護寺会費、寄付、墓地管理料によって運営されています。

法要や葬儀で包むお布施は、仏教の大事な行(ぎょう)の1つである布施行に由来します。

布施業は主に次の3つに大別されます。

  • 法施:僧が信者に仏法を説き、人に施すこと
  • 無畏施:人に畏怖の念を抱かせないこと
  • 財施:金銭や品物などの財物で施すこと

葬儀などの仏事で僧侶に渡す金封のお布施は、この財施にあたります。

行は、自発的に行うものです。
そのため、僧侶からすると「お気持ちで」としか答えようがなく、精一杯の気持ちを表すもので、お経に料金はありません。
また、お布施は、僧侶の人数や会葬者の数によって決まるものではありません。
さらに、お布施を渡す相手は僧侶ですが、お布施は僧侶への報酬ではなく、本尊へ供えるものです。

このような成り立ちを考えると、お布施を葬儀という儀式の執行料金などというとらえ方をするのは間違いとわかるでしょう。

お布施の目安が示せない理由

墓石代なら、この石でこのランクなら〇〇万円が相場など、目安を示すことはできます。
「お布施の額がわかりにくい」や「お布施の基準がなくて不透明」などよく言われますが、お布施は気持ちなので、気持ちの形や中身は一人ひとり異なります。
そのため、お布施の額について、僧侶の方に目安を出してもらうというのはなかなか難しいと言わざるを得ません。

お布施はお経代ではない

お布施をお経代と考えている人もいるかもしれません。
しかし、お布施は、自分自身がそのときの精一杯の気持ちとして行う施しです。
そのため、お経料(回向料)や支払いという表現はふさわしくありません。

お布施の額や新しく建てた墓に刻む戒名料の額などを尋ねられた僧侶は、この人、あるいは亡くなった人にとって精一杯の気持ちとはどのくらいだろうかと考えて答えることでしょう。
そのため、当然、一律ということはありません。

現実的には、それまで仏法に貢献した方、寺院との付き合いの親密な方、社会的地位の高い方、地域社会に影響を与えた方などの気持ちは手厚いと推し量ることになります。

お布施の渡し方

手渡すときは、ふくさなどに包めばより丁寧です。
また、無地の塗り盆に載せて渡すのも丁寧です。

葬儀後にお礼に行くときは、菓子折りを持参してもよいでしょう。
その場合、ふくさからお礼の封筒を取り出して、菓子折りの上に載せて、表書きが相手に向くように差し出します。

お布施を持っていくのは翌日が正式

お寺へのお礼は葬儀の当日ではなく、翌日に尋ねるのが正式とされています。
そのため、できれば葬儀の翌日にはお寺に持参し、僧侶に渡します。
その際は、「戒名と読経のお礼です」などと伝えましょう。
ただ、葬儀が終わったあとか、お通夜が始まる前に渡す場合も多いようです。
迷ったら葬儀社に尋ねるとよいでしょう。

僧侶が複数来てくれた場合

お葬式の規模にもよりますが、僧侶が複数の場合でもお布施は同額です。
また、1つの袋で渡しても問題ありません。

お布施は相続財産から控除できる

葬儀のときに納めたお布施は葬式費用として相続財産から控除することができます
もし、親族間でお布施に関する話題が出た場合にはその証拠として、高額の場合は税務署の調査を受けたときの対応策として、できれば領収書、難しければ収支のメモを残りしておきましょう。

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